成功は才に比例するものにあらず


成功は才に比例するものにあらず
成功は才に比例するものにあらず

夏目漱石については、私が語るまでもありませんね。誰もが彼の作品を一度は読んだことがあるはずです。

漱石はこんな言葉を残していました。単純に読めば「才能に恵まれていたからといって成功するとは限らない」という意味です。「自分には才能がないから!」ということを言い訳にしてはいけない、そう読み取ることもできますね。

ではもう少しひねくれた見方をしてみましょう。漱石は「成功は才に反比例するものである」とは言っていません。やはり才能と成功にはある程度の相関関係を認めていたと思います。

が、いくらその才能に恵まれていてもそれを生かす方法を間違えれば成功にはたどりつきません。より大切なのは「才能の多寡」ではなく「才能の生かし方」、これをより推し進めると「己を知る」ことにつながります。

漱石は教壇に立っていた人物です。教育者としての立場からすれば「成功は努力の量に比例する」くらいのことを言っても良さそうですが、そういう根拠の曖昧な言葉ではなく、彼なりの透徹した視点に若干の皮肉を込めて、この言葉を残しました。今のような混迷の時代にこそ、彼のような人物が求められているように思います。

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